ぶろぐはぶろぐ。

29歳のクリスマスイブに思ったこと

映像が好きなのに見たことない映画だらけだった。
音楽が好きなのに聞いたことない音楽だらけだった。


「なんで好きなら、これ見てないの?」って言われることが怖くて、
知ったかを繰り返したこともたくさんあった。好きなものの話になった時、だまってしまう癖がついた。

今ではなんでも簡単にうんうん言いながら手元のスマホでググれるけど、こんなことじゃ意味がないってわかってる。歴史を知って、ルーツを知って。知識量が多いやつが賢いの?と思ったこともある。でもいつもでる結論は、今の自分を構成してくれたのは間違い無く、映像だし音楽だし漫画だし写真だしアニメだし、世の中に「名作」として残るものはやはり人々の記憶に残るなにか爪痕がそこにあった。
人の心を震わせたり人生を変えたり、励ましたり落ち込ませたり共感させたりキレさせたり、そんな風に自分が作ったものが誰かの人生に影響を与える人ってかっこいいし憧れてた。
自分もそうなりたかった。




特に自分が大きく変わるきっかけを与えてくれたのが志村だった。
フジファブリックの曲を聴いてると、どんな曲を聴いてる時よりも自分らしくいれたし、無理に強がったり愛想笑ったり、泣くことを我慢したり、人に気を使いすぎたりしなくていいんだと思えた。EMIの時のフジファブリックのPVはどれも最高にかっこよかったし、全然曲に関係なくて、なのになんでか心の中にスッと曲が入ってくる、こんな音楽を作れるバンドは映像の監督は天才かと思った。
こんな映像を撮らせる曲を作る志村が好きだったし、こんなに全部の音がドキドキする演奏をするメンバーが好きだったし、こんな映像を撮ってるスミスさんに憧れた。


奥田民生ソニックユースビートルズ、全部食わず嫌いでなんだか聞きにくいと思っていた音楽を聞く気持ちが変わった。始まりはミーハー心で志村やメンバーの影響を受けて、雑誌やラジオで言ってたCDをたくさん買った。洋楽なんてバンドをやる人が聞くものだと思ってた気持ちが一気に変わった。自分はこういう音を聞くと、 好きなんだ苦手だエロい気持ちになる怒る殴りたくなる心がざわざわする嫉妬する好きな人を思い浮かぶ嫌いな奴を殺したくなるっていうのが明確になったし、なによりもそれを聞いてからフジファブリックの曲を聴くと、今まで聞いてた音と違う音が突然聞こえてきて何十回も聞いたしより、好きになったり苦手な曲が好きになったりすきな曲やアルバムが変わったりした。



29歳になった今、そんな大切ななにかを全部どこかに置いてきてたことに気づいた。
誰かに怒られたりコンペがダメだったり失敗すれば、とにかくとへこんだ。好きなはずの音楽や映像をあの頃のように調べたり見聞きすることも苦痛というか見聞きしたものの悪口ばかりいってしまうこともあった。
でも、じゃあそうやって好きなものをどんどん嫌いになるくらい、自分をダメにするくらい、落ち込んだら、それでいいものができるのかな…


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志村へ
志村が死んだ29歳に今年私はなりました。
29までには映像の世界で爪痕残したいって結構本気で思ってたんですよ、私。
でも今んとこ無理でした。

志村に対しては憧ればっかりだったけど、今日久々にCHRONICLE聞いたら初めて嫉妬しました。こんな最高のアルバムや曲を作っても、いつまでも過去のこういう女々しいことやだめだった頃のことばっか言っちゃって、うまくいかないとか歌詞書いて。いやいや十分めちゃくちゃすごいです、憧れだし尊敬してます。私なんて年下に舐められて、負けてばっかりですよ。今日だっていいものを作ったつもりだったけど、ダメでした。もう29歳なのに。いつまでも追いつけないままです。

どうしたら追いつけるか考えても答えはでません。諦めずにとにかくがむしゃらに走り続けてればいいのかな?今まではそう思ってたんですけど、今日なんかそれが正解じゃないんじゃないかってちょっと思いました。(まだ答えはわからないですが)
だって29歳だし女ですよ?色々焦ります。ちゃんとしたいんです。でも志村の曲を聴いてたら、それだけじゃないよなって、思いました。

自分の好きなものや信じた気持ちを信じ続けること。
自分の作品に自信を持つこと。
コンペに落ちても、もし頑張ったならばしっかりと自分や周りを労ってあげること。
家族や周りには迷惑かけてごめん!としっかり謝ること。
たまには弱い自分を肯定すること。
でも肯定してばっかりで甘えないこと。
流行りに惑わされすぎず、名作をしっかりとみ続けて聞き続けること。


まだまだやらなきゃいけないことたくさんあるから、これからも自分を信じて頑張ります。またCDで会いましょう。