ぶろぐはぶろぐ。

言葉にならない、笑顔をみせてくれよ

15年ぶりに剣道の試合を見に行った。
武道館で見る剣道は本当に「すごい」って言葉しか出てこなくて、
こんなになにも考えずにいれたのは1ヶ月ぶりだった。


高校1年生で味方がおらず、辞めてしまった剣道。
中学の時はあんなにしんどくても大好きだったし、嫌いな奴もいたけど、支えてくれたみんながいたから3年間続けてこれた。高校生になっても当たり前のように剣道を続けたいと思ったし、でもどうしてもダメだった。

ダメになった理由は明確には思い出せないけれど、結局それは部活動の中で好きな人ができてしまったからな気がする。なんで好きになったかも、今となっては顔も声もあまり思い出せない。ただ、初めて剣道場で会った瞬間から「あ、この子のことめっちゃ好きや」と思って、それ以来話ができなくなってしまうレベルに惚れてしまった。

今更考えると絶対に性格もあわなかったし、メールも多分したことがない気がする。目を合わせることも恥ずかしくて、相手も私が惚れてるの気づいてただろうし、だから告白もしてないのにフラれた記憶がうすらある。


一つだけその子のことではっきり覚えているのは、
「美しいものを美しいと思える あなたの心が美しい」
という口にするのも照れてしまう、相田みつを先生の名言を「こういう人間になりたいねん。」と本気で話してたことだ。


その言葉を剣道の試合を見ながら思い出した時、
「あれ?今ならもう一回剣道できるんじゃないかな?」と思った。
あんなに苦痛で辞めた剣道だったけど、大好きだった。
団体競技なのに、戦ってる間は1対1。心技体、なーんで声なんかださなあかんねんと思っていたが、大人になってからは、合理性だけが正しさじゃないということにもなんとなく気づいてきた。
ビデオ判定もない、審判は大体クソジジイ、それでもあのピリピリした数分間の中でアドレナリンを出しまくるような空間が大好きだった。
引っ越ししたら、仕事の合間に何かを始めたいなってなんとなく思っていたので、ちょうどいいなと思えた。
なんとなく、また剣道を始めようと思った。




人生生きてたら言葉にできない思いだらけだ。
無理に言葉にしなくていいよと思う。
好きなもので伝えられればそれでいいって思う。
言葉にならん気持ちは表現で伝えればいいと思う。嘘は良くないけど。なんでもかんでも説明しすぎの世の中にもう疲れたし、正直求めてない。

それでも。
高校時代の好きだった彼が「こういう人間なりたいねん。」って言葉を伝えてくれた時のこと、15年経っても覚えているし、そのおかげでまた、やりたいことをやろうと思えたんだから、言葉にしてくれて本当にありがとうって思ってる。



いつかは忘れる。全部。
でも嘘のない言葉は残るし、嘘のない作品も残る。
(嘘はダメだよ。嘘を嘘だってわかってないことも同罪だよ。都合よく解釈したことはいつかは絶対にバレる)

だから自分は今一人でいるこの期間に、
たくさんの「ありがとう」と、
たくさんの「ごめんね」を。
たくさんの作品と言葉で伝えます。

伝わった時は、また言葉にならない笑顔で私に教えてください。
おやすみなさい。