ぶろぐはぶろぐ。

【映画】スパイク・ジョーンズ『her』を見て幸せについて本気出して考えてみました。

そう思えばスパイク・ジョーンズ・『her』を先日見に行きました。

スパイク・ジョーンズとの出会いは、中学生の頃、学校サボって(お母さんが仕事行くまで息を殺して布団になるべく平らになって倒れていた頃)衛星放送を見まくってた時に、ジャッカスを見て
『なんやこの痛そうな番組は…』となったことです。はい。

前置きは置いといて、
ティザーがこれ

これ、今年のアカデミー脚本賞とってるんですよね。
でも脚本賞も納得の名言連発映画でした。

内容としては、一言でいえば『OS(人工知能・わかりやすくいえばsiriのめっちゃすごいver)』に寂しがり屋のおっさんが恋する話

実はどうしても書きたいことがあって、それは
この映画、落ちとかはいまいちなんですが、
ヤー・ヤー・ヤーズのボーカル、カレン・オーかいた劇中歌、そしてそのシーンが
ほんとに最高なんです!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


※たまたまネットにあったのでぜひ、見てください。

これ、おっさん何一人で喋っとるねん…って感じだろけど、これはOSと一緒にデートしてるわけであって一人ではないのですよ。

主人公のいい歳だけど、奥さんとうまくいかなくなってしまって別居しているセオドアがついに、恋に堕ちるんですよね。
それが一緒に雪山をデートしている相手、人工知能型OSの『サマンサ』なんですけど・・。こんな多幸感あふれるシーンと曲ありますか!?!?

形はなくても二人は普通のカップルと一緒なんですよね。
一緒に歩いて
一緒に御飯を食べて、お酒を飲んで
一緒に音楽を聞いて
一緒に寄り添って寝て

いつでもすぐそばにいて、ずっと隣にいるのに、
でも、形がないんですよ。サマンサには。
ハッとした瞬間にセオドアがそれを感じるシーンがあって、それがすごく切なかった。

元奥さんと離婚届にサインをするためにあった時に、
『彼女ができた』と伝えると、『あなたには誰よりもシアワセになってほしい』的なことを奥さんはいって喜ぶんですよね。
でもそれが、OSだってわかった瞬間『気持ち悪い』と。

言ってることは何も間違いじゃないし、頭がおかしいことなのかもしれないけど、
それでも一番セオドアのことをわかってそばにいるのは
奥さんではなく、形がない『サマンサ』なんですよね。

形っていうのは物質としての『姿』だけではないんではないかなと。
それは、二人の恋の形だってそうだし、立場だってそうだし
二人が支えあってる事実にはかわりはないので、世の中ってなんでそんな
わかりきったことが認め会えないんだろうって切なくなった。
恋愛において大切なものってなんだろうと映画を見ていて悲しくなった。

そんなときにカレン・オーは歌ってるんですよね。

It's a dark and shiny place
But with you my dear
I'm safe and we're a million miles away

光の当たらない場所もあるけど まぶしく輝いている場所もある
だけど一緒にいられれば 不安なんかなくなるから
遥か遠くの宇宙のはてに こうして2人でいられるよ

(※訳はここから→http://oyogetaiyakukun.blogspot.jp/2014/03/the-moon-song-karen-o.html)

この訳のサイトでも書いてるけど、カレン・オーとスパイク・ジョーンズは付き合ってた過去があって、それでもこんな風に一緒に仕事をして
こんな二人のちからがあって素敵な作品ができて。

どんな立場でも、どんな形をしても、
相手のそばに心が有ることが一番大切なんだなってなんだか思いました。

人は貪欲だから身近なシアワセに気づけないことが多いけど、
この映画では
温かい太陽の光だったり、
ベッドで寝転んでいる時に見えるホコリのキラメキだったり、
美味しいココアを飲むことだったり、
心がずっとそばにいることだったり、

忘れちゃいけないシアワセな部分をすごくしっかり描いてくれている映画でした。